今回はミレイとスザクとカレンです。
ちなみにカレンの愛情はこれ以後、
ルルーシュの運動神経を鍛える方向に向かいました。
時間軸はスザクが同居する前です。





「あら?」
気付いたのはたまたま。運悪くゴミ捨て番になどなってしまったから。
普段なら別に気にしないのだが、あの2人という組み合わせが気になる。
だって、あの2人が一緒にいる時は・・・



「何してるんですか?」

「うわぁ!」
「きゃっ!」

そう言って後ろから会長と主の親友らしい男に声を掛けると、2人とも大袈裟なくらいに驚く。
会長ならともかく、スザクがここまで驚くのは珍しい。そんなに集中していたのだろうか。

「「カレン(さん)!!」」
「はい?ってか、なんでふたっ、」

"2人とも声を潜めるのか"と問いかけようとしてところで口を塞がれた。

「「しーっ!!」」

なんなんだお前らは・・・。
本当に仲が良い。いや、良いのは相性か?




「それで、何なんですか?いったい・・・」

仕方ないので相手に合わせると、
2人はまさに恍惚といった表情を浮かべていた。

やっぱり引き返そうかな・・・

だが、ここまで来ると気になってしまうのが人間の性というもの。
そうでなくとも、自分は割と好奇心が強い方だと自覚している。
仕方なくスザクの足を踏みつけることで先を促す。
スザクが恨みがましげにこちらを見てくるが知ったことか。

まぁ、早い話が私はこいつが気に食わないだけなのだが、それが嫉妬からくるものだとは絶対に認めたくはない。そもそもこいつだって私をよく思っていないはずだ。態度を見ていればわかる。お互い様。
この際だから普段の苛立ちも晴らしてやろうかと、ここぞとばかりに捻りも加えてやったのだが今度は表情1つ変えやしない。小憎たらしいったらありゃしない。
とりあえず早くしろとばかりに今度は顎で促すと、スザクは渋々その原因といえる方向に指をさした。

視線を向けてみると・・・



「ルルーシュ?」
守るべき主がいた。



先ほどから見つからないと思っていたが、こんなところにいたのか。

まぁ少しくらいルルーシュが姿を消したところでそんなに心配はしていないが。ここは学園であるし、そもそもルルーシュは頭が良い。大概の危機は自分の力で乗り切れるだろう。ここが学園じゃなければ焦りもするが、学園内でそこまで過保護にしていたらそれこそルルーシュが不貞腐れてしまう。適度が大事なのだ。我が主君の場合は・・・

そんなことを考えながらルルーシュを見ていると、どうもルルーシュの様子がおかしいことに気付く。


「?」

・・・・・・木?
なにやら必死に木に手を伸ばしているのである。

上に何かあるのかしら・・・?
そう思って視線を上げてみると・・・



「・・・猫?」

降りられなくなったのだろうか、猫がいた。



「そう!そうなのよ!ルルーシュが猫を助けようとしてるの!」
「うん!あのルルーシュが猫をだよ!?」


・・・出たな、このお気楽コンビめ。


「さっきから一生懸命腕を伸ばしては猫を助けようとするんだけど」
「あと一歩で届かないんだ!」
「木に登って助けようにも」
「ルルーシュの運動神経じゃあの木は登れないよね」
「おまけに必死に助けようとするルルーシュの熱意が伝わったのか」
「さっきから猫の方もルルーシュに手を伸ばすの!!その姿の愛らしいことと言ったら!さながらロミオとジュリエット!」
「もうほんとに・・・っ」


「「なんて愛らしい(のかしら)!」」


抜群のコンビネーションでそれだけを捲くし立てる2人。
そして今度はいそいそと2人で怪しげな熱談を始め出す。




そんな2人の姿にカレンは頭痛を感じながらも、
もう一度ルルーシュの方へと視線をやる。




確かに愛らしい・・・
愛らしいのだが・・・






「・・・助けてやれよ」



今持てる全力の本音であった。





+++

猫はその後できちんと救出しました。

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