生徒会メンバーで。
会長とスザクは仲が良いんです。
感性が似てるんです。
「みんな、そろそろ休憩にしましょ!」
「待ってました!」
その声にリヴァルが諸手を挙げて喜びを表す。
「でもまだ半分も終わってないですよー?」
「いいから、いいから!人間適度に休まないと能率低下を招くものよ」
「そもそも会長が書類を溜めないでいてくだされば、こんなに仕事に追われずとも済んだんですがね・・・」
「まぁまぁ、おやつにデザートがあるから悪いことは全部忘れましょ!」
「"都合の"悪いことは、でしょう?」
「今日のデザートは苺よ」
「良かったね、ルルーシュ。苺好きだもんね?」
「・・・・・・」
((こういう所が可愛い(わ)よね))
苺と聞いた途端に黙るルルーシュを見て、同じ感想を抱くスザクとミレイ。2人ともあらぬ方向を見ながら拳を握っている。
「いっただっきま〜す!」
「リヴァル!そんなガッつかないの!」
「ひゃってひちほがあふぁくて、」
「食べてから喋りなさい!」
そんな2人の遣り取りを微笑ましく思いながら、他のメンバーも椅子に座る。
透明なガラスの小皿の上にころんと転がっている苺。
みずみずしさが光の滴となってキラキラとしている。
苺の隣りには淹れたての紅茶が淡い紅の水色を見せていた。
紅茶に苺って合うのかな?と、あまり紅茶を飲む習慣のないスザクは思ったが、セシルの料理に比べればたやすく許容範囲内だった。
しかし、いざ苺を食べようとした時である。
ふと隣りで苺を食べているルルーシュが目に入った。
あからさまにならないように横目で眺めていると、
一回刺して、食べる食べる食べる。
刺して、食べる食べる・・・
スザクは努めて冷静に周りを確認した。
すると、ミレイも同じ事を思っていたのかすぐに視線が絡む。
(会長・・・)
(えぇ、わかっているわ・・・)
(なんでそんなに冷静なんですか!?)
(スザク!落ち着きなさい。叫び出したい気持ちは痛いほどわかるわ。でも、急いては事を仕損じるって言うでしょ?だから落ち着いて、もう一度確認するのよ)
(イエス・マイ・ロード!)
そんなことをすべて目だけで確認し終えた2人は再びルルーシュに目を向ける。
そこには、小さな口で必死に苺と格闘しているルルーシュの姿。
((一口で苺が食べられないんだ(わ)!!))
「「・・・・・・っ」」
「?」
心の中で眼福という言葉が浮かび出されている2人を、ルルーシュは不思議そうに見詰めるばかりだった。
+++
シャーリーですら一口なのにっ!
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