ご要望のあったルルとユフィを二股気味最低スザクににょたの練習を兼ねて挑戦してみたのですが見事に失敗しました。おまけに連載です。毎回毎回変な所で切れます。♀ルルに抵抗が無い方でそれでもいいよという方のみどうぞ。



1話で馴れ初め話。



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「別れよう」





そう言われたから


「いいよ」





頷いた。





ただそれだけのこと―――。






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スザクがその少女と付き合い始めたのは高校1年生の時だ。
入学してから初めての夏休みが過ぎて。涼やかな秋風が木枯らしに変わりつつある、そんな季節の変わり目のことだった。部活が終わってさぁ帰るかという時に少女に呼び止められたのだ。呼び止められた理由はすぐにピンときた。自慢ではないがスザクは当時から同年代の男子とは比較するまでもなく経験が豊富であったしこんなことはざらであったから。呼び止められた瞬間にあぁ告白かとすぐに悟ったのだった。碌に顔も見ないで裏門で待つように言い自分は大して急ぎもせずに着替えを済ませて。それから裏門へと向かう。



はっきり言って面倒だなと思った。



顔はよく見えなかったが雰囲気からして冴えない女であったし自分の好みは華やかで明るい女らしい子だったから。黒縁の眼鏡を掛けては目の半分以上が前髪に覆われているような目の前の少女にまったく興味が沸かなかったのだ。むしろこんなんでよく告白する気になったよな。裏門に着くなり失礼極りないことをスザクは思った。
そんなスザクの視線に少女は何かを感じ取ったのか言い淀むような仕草を見せたがそれも一瞬で。次の瞬間には凛とした声でただ一言、付き合ってほしい、そう口にした。
予想違わずの言葉。そのことに半ば飽き飽きしながらもスザクは一応、噂知ってるよね?と応えではない言葉を返す。有名ではあるが万が一ということもある。そんな配慮から出た言葉ではあったがそれも少女がこくんと頷いたことで杞憂であったことが知れた。



それじゃあ告白してくるなよ、内心でそう思ったことは置いておくとして。



当時スザクは彼にしては珍しく片思いなんてものをしていた。
なんだスザクも一端の高校生だったのか、彼をよく知るお調子者の友人は彼のそれを称してそんなことを言ってのけたが、だがそれも相手が学園のマドンナ(死語)であるユーフェミアだと知った途端に閉口することとなった、のは言うまでもないことである。学園で男子と言えばスザク、女子と言えばユーフェミア、この学園にいるものならば誰もが当たり前に認識しているほどに2人は他と一線を画す存在であったのだからその友人の気持ちも分らぬではないが。見るからに華やかで女の子らしいユーフェミア、そんな彼女が男子から絶大な人気を博していたのは当然のこととしてそれはスザクをしても例外ではなかった。




スザクは彼女と知り合ったまさにその日に情熱的な初対面を披露したのだ。
朝会の挨拶の席で彼女に大告白その他エトセトラ・・・(全校生徒は勿論、学園長すらも驚きの余り固まった)。そんなことをするものだからスザクがユーフェミアにゾッコン(これもまた死語)であるという噂は元より何故か枢木スザクはユーフェミアのモノであるという噂まで流れ出して。けれど別に広められて困るようなものではないからと一向に気にする様子のないスザクに何も言わないユーフェミア、ともなれば、だ。噂に歯止めなど掛かるはずもなく気が付けば若干歪曲された噂は見事に定着していたのだった。
そんな事情であるからスザクの元に足繁く通う女の子というのは今では一人もいなくなったという次第である。相手が学園一のマドンナでは土俵にすら上がりたくないらしい。無論、他にそこまでさせてしまうユーフェミアにスザクが益々燃え上がったのは言うまでもないが、ただ、告白なんて面倒な日常茶飯事が無くなって精々したと喜んでいたスザク(何しろ告白というのはとかく時間を取るものである)をしてもそれが一人もいなくなるとなるとまた別の問題を生むこととなった。つまり・・・



性欲処理が出来なくなったのだ。





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男子高校生たるもの、いくら場数を踏んでソッチ方面への興味が薄れたとしても溜まるものはやはり溜まるわけで。一度その味を知ってしまえばまさか右手、人によっては左かもしれな(自主規制)・・・とまぁ、そんな生まれついてのお友達の世話になるわけにもいかないのである(あの得も言われぬ虚無感と言ったらない)。つまり健全な男子高校生にとってセックスが出来ないというのは割と、それはもう・・・深刻な問題であった。別に街に行き引っかけたっていいのだが溜まる度にそれをするのも骨の折れる話。一番良いのはユーフェミアがごろんとしてくれることであったが(失礼)肝心のユーフェミアはなかなか靡く気配を見せない。まぁ入学当初にスザクが遊んでいたというのは周知の事実であったし当然それを知っていた彼女が簡単に落ちるとは思っていなかったのだが。ただその少女が告白してきたのはそんな時だったのだ。



知ってて告白、ね・・・



噂を知っていて尚且つ自分に告白をしてくるその度胸には感服したが、しかしそれを知ったところで正直どうにもなりはしなかった。もしこれがもっとスザクの好みの女であったならもう少し対応は変わっていただろう。その気になったと見せかけてセックスに付き合ってもらうとかまぁそれにしたって遊び相手としてだ。けれど告白してきたのがこれではその場限りの遊びにもならない・・・―――はずだった。普段ならば、だ。


スザクはもう一度よくその少女を観察した。


今時手の加えていない純正の黒髪。
折った形跡のないプリーツスカート。
そして顔の輪郭すら朧気にするような分厚い黒縁眼鏡。
こういうタイプに告白されたのは初めてで。
だからだろう。


―――少し魔がさした。


「2番でいいならいいよ」


気が付けばそんなことを言っていたのだ。


「2番・・・?」
少女は少し目をパチクリとさせて首を傾げ、鸚鵡返しに言葉をなぞった。
その反応は少しだけ可愛くて。スザクは少しだけ好感を持った。
「そう。ユーフェミアを落とすまでのつなぎみたいなものかな。ユーフェミアの靡かないところは好きだけど、正直セックス出来ないのはしんどいんだ。でも誰かれ構わずにやるわけにもいかないだろ?1人や2人くらいならバレないだろうけどあちらこちらってのはちょっと本命相手にまずいからね。だから」
「つなぎ・・・」
「そう」
普段とは違う断り方。からかいを含んだそれは決して本気ではなかったのだ。だって相手は見るからに真面目そうな女。こういう風に言えば傷ついたように泣きだすか、怒って非難の言葉を並べてくるかのどちらかだと思ったのだ。
だから、


「わかった」


少女がそう言ってきた時は本気で驚いた。








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「わかったって・・・意味わかってる?セックスフレンドになろうって言ってんだよ?」


スザクは自分の説明がうまく伝わっていなかったのだろうかと、わざと露骨な表現を使って少女に確認をしたのだが。
少女はその言葉にまったく動じずに更に言葉を返してきた。


「セックスフレンドとは少し違うだろう。俺はお前に付き合ってほしいと言ったのだし、お前はそれなら2番ならいいと言った。つまりユーフェミアを落とすまでなら付き合ってやってもいいという意味だろう?俺はお前が好きで付き合って、お前は俺が好きではないけれどセックスが目的で付き合う。温度差はあるが一応交際だ」


互いに割り切っているセックスフレンドとは違う、少女はきっぱりと言った。


率直な言葉。けれど思ってもみないような言葉だった。
言ってる内容に問題こそあるがここまで言い切られるといっそ清々しい。そんな彼女の態度にスザクは今までまったく興味のなかったその少女に初めて少しの関心を抱いた。そして値踏みするように改めて少女を見遣る。足はスカートに隠れていてよく見えないが、首や顔辺りを見るとなかなか綺麗な白い肌をしている。胸も他がスレンダーな割に結構あるし(Dぐらいか?)スタイル自体はそんなに悪くない。顔は野暮ったい感じがしてマイナスだが、セックスをする上で大事なのは身体だと思っているスザクにとってそんなに障害になるものではない。(恋愛ではNGだ)


ふむ・・・


「じゃあ、・・・条件付きならいいよ」
「条件?」
「うん。まず2番だって言うのはさっき言ったよね」
「あぁ。・・・他にまだあるということか」
「そう、飲み込み早いね。頭のいい子は好きだよ。いくつか条件を出すからそれを呑めるなら付き合ってやってもいい」
「わかった」
「・・・ほんとに返事早いね。まぁいいや。そうだな・・・まずは俺のすることに干渉しないことかな。それと学校ではこっちに話しかけないこと。連絡はメールにすること。俺との関係を誰からに言い触らさないことは当然として、それから・・・ってどうしたの?」
他にないかなと、思いつくままに話していると少女が少し驚いたように目を見開いた。
「何か不満でもあった?あるなら、」
「あ、いや。何でもないんだ。ただ・・・アドレス教えて貰えるのかと少し、驚いただけだ・・・」
「驚いたって・・・そうしないと連絡が取れないでしょ」
「いや、それはそうなんだが」
「・・・ま、いいけどね。条件はこれくらいかな。後はおいおい出てきたら決めるということで。これが出来るなら付き合ってもいいよ、」
どうする?なんて聞いたけど。答えはわかりきっていた。目の前の少女はまず間違いなく頷くだろう。なんとなく予感めいたものがスザクにそう確信させた。
「その条件をすべて呑もう。契約だ」
案の定、少女は肯を示してきた。
それにしても契約とは、また随分と大袈裟な物言いだとスザクは内面で苦笑いを溢すが、でもそこまで悪くもなかった。別に恋愛をしようって言ってるわけじゃないしね。そしてそこでようやくスザクは自分が少女の名を知らないことに気が付いて彼女に尋ねた。もしかしたら彼女は一度名乗ったのかもしれないが生憎と先までは上の空だったスザクがそんなことを認識しているわけもなくて。いかにスザクが少女に無関心であったが物語るようではあるが、少女は特に気を悪くする風もなく名乗った。


ルルーシュ・ランぺルージ。


どこかで聞いた名だなと思ったが別に大して気にならずに。とりあえず挨拶くらいはしておこうかといつも通り慣れた笑顔でもって宜しくと握手を交わす。その瞬間少女が軽く目を瞠ったのが分かったがそれも割とどうでもいいことだった。とりあえずこれからしばらくは処理に困らないな、そんなことだけを思って。


まぁそんな高校1年生のことだった。



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